仕事の効率化というと、ショートカットや自動化を思い浮かべるかもしれません。しかし、資料作成そのものより、返事待ちや修正の往復に時間がかかっている場合もあります。最初に行いたいのは、速く作業する練習ではなく「どこで止まっているか」の切り分けです。
1.仕事を三つの時間に分ける
一件の仕事について、手を動かす作業時間、相手の返答や承認を待つ時間、やり直しに使う手戻り時間を記録します。厳密なストップウォッチ計測より、どこに偏りがあるかをつかむことを優先します。待ち時間は経過時間なので、作業時間と単純に足して労働時間にしない点に注意してください。
| 分類 | 仮の例 | 見直すこと |
|---|---|---|
| 作業 | 売上データを転記する | 入力元の統一、集計の自動化 |
| 待ち | 承認者の返事が来ない | 判断事項、期限、代行者 |
| 手戻り | 集計対象の認識が違う | 着手前の完成条件 |
2.完成条件を先に合わせる
「売上をまとめて」だけでは、対象期間、返品の扱い、税込・税抜、必要な粒度が人によって異なります。着手前に、誰が何を決めるための資料か、対象データは何か、いつまでにどの形式で出すかを一度確認します。
例えば「来月の販促配分を決めるため、直近三か月のカテゴリ別売上と粗利を一枚にする。返品反映後・税抜で集計し、水曜の会議までに共有する」と書きます。完成条件の確認に数分かける価値は、後の作り直しが減るかどうかで評価できます。
3.自動化の前に、やめる・減らす・そろえる
使われていない資料を自動化しても、管理対象が増えるだけかもしれません。まず利用者に確認して不要な工程をやめ、頻度や項目数を減らし、入力形式をそろえます。その後、同じルールで繰り返す部分を自動化候補にします。例外が多い作業は、どこまでを自動処理し、どこからを人が確認するかを分けましょう。
Excelの集計でも、表記ゆれや日付形式がそろっていなければ、式を複雑にするほど保守が難しくなります。入力ルール、確認責任者、エラー時の戻し方まで含めて設計することが、運用を続けるうえで重要です。
4.改善前後を同じ条件で比べる
次の数字は計算例です。一回30分、週4回の作業を、一回10分にできたとすると、作業時間の削減は週80分です。ただし、仕組みの作成に4時間、毎週の保守に20分かかるなら、差し引きの削減は週60分となり、初期作業の回収には約4週間かかります。利用頻度が低い処理なら、手作業のままの方が合理的な場合もあります。
一週間で試すなら
- 繰り返し発生する業務を一つ選ぶ。
- 数回分の作業・待ち・手戻りを記録する。
- 最も大きな原因に対して、一つだけ変更する。
- 時間に加え、誤りや確認の負担が増えていないかを見る。
この記事の分類や計算例は、業務を整理するための提案です。削減効果を保証するものではありません。速さだけを追わず、品質と担当者の負担も一緒に確認すると、続けられる改善になります。
自動化する前の採算メモ
削減見込みは作業時間と保守時間を分けて計算します。待ち時間が短くなっても、同じ分だけ労働時間が減るとは限りません。
一回の作業時間(前: 後): 一週間の回数: 週の保守時間: 初期作成時間: 例外時の手作業: 品質の確認方法:
記入・判断の例
架空の例で30分を10分に短縮し週4回なら、週80分の削減です。保守が週20分なら純削減は60分、初期作成240分の回収は4週です。同じ条件で回数が週1回なら純削減は0分になり、この計算では初期作成時間を回収できません。
見直すときの判断
純削減が0以下なら、時間短縮以外に誤入力防止などの目的があるかを確認します。実行回数を多く見積もって導入を正当化せず、例外処理や担当変更後の引き継ぎ時間も考慮しましょう。
記入欄と説明例はHumsで作成した編集上の提案です。実在する個人・企業の実績ではありません。
